今日の株式

「かつてあったことはこれからも起きる」ウィリアム・ディルバート・ギャン

デジタル経済 日本に落とし穴

2018年1月21日 日経ヴェリタスより

筆者 山田久(日本総合研究所理事)

 

「デジタル経済による世界景気拡大と物価安定は、2018年の日本景気を支える。

 しかし、デジタル経済の本質は、リアル経済を代替していく点にある。

 日本のデジタル化のスピードは遅く、その本質が実感しにくくなっている。

 それは必要な構造改革を一層遅らせる。

 本質を見据えた危機感が求められる。」

 

筆者が懸念しているのは、長期的に見てデジタル経済は日本を弱体化させるリスクである、ということだ。

現在進行中のデジタル経済の拡大が意味することの本質は、それが息の長い景気拡大    を導くことではなく、先進国での既存リアル経済を猛烈な勢いで代替していくという点にある。

「象徴的な現象として、アマゾン・ドット・コムによるネット販売の急成長で、百貨店やスーパーなどのリアルな店舗を基本とする小売業が業績不振に陥っている。」

また雇用や賃金の変化についても指摘している。

「賃金・文化の安定の背後で雇用二極化が起きていることも見逃せない。デジタル先進国・米国ではデジタル技術の進化が「中スキル」の仕事を標準化し、「低スキル」の労働に転換している。」

「日本はAI活用やIoTへの取り込みスピードが遅く、"先進国での既存リアル経済の代替"や”雇用二極化”という、デジタル経済に潜む本質的影響が、実感しにくくなっている。」

日本人が得意とする正確かつ迅速な事務作業もAIやIoTにはかなわない、ということだろう。

その雇用を守るより労働改革を行うことが先だということを訴えているのだと思う。

最後に

「デジタル経済は当面、グローバル経済の拡大による輸出増加という形で日本経済にプラスに働くだろう。だが、心配されるのは、それが当面の企業業績の改善を通じて危機感を薄め、必要な事業構造改革労働市場改革を遅らせることだ。加えて、物価安定で超低金利が一層長期化し、政府に財政再建への取り組みをますます遅らせる恐れもある。

今求められるのは、デジタル経済の本質を見据えた健全な危機感だ。」と締めくくっている。

人間ができる仕事から、人間にしかできない仕事へ、それは何だろう?

そんなことを考える日々だ。

 

同一労働同一賃金の衝撃 「働き方改革」のカギを握る新ルール

同一労働同一賃金の衝撃 「働き方改革」のカギを握る新ルール

 

 

 

失業なき雇用流動化―― 成長への新たな労働市場改革

失業なき雇用流動化―― 成長への新たな労働市場改革